永野芽郁さん主演、東村アキコさん原作の自伝的映画『かくかくしかじか』(2025年5月16日公開)。
宮崎・金沢・東京・横浜という 4 都市で撮影が行われ、原作ゆかりの地や物語を彩る情緒ある景観がスクリーンに焼き付けられました。
この記事では公開情報と目撃証言を基に、主要ロケ地を地域別に詳しくご紹介します。聖地巡礼の参考にぜひお役立てください。
宮崎エリア “青春の原点” を映す場所
1. 宮崎ガス本社周辺(宮崎市阿波岐原町)


- 撮影シーン:明子(永野芽郁)と日高先生(大泉洋)の市街地シーン。
- 撮影メモ:2024 年4月20・21日に道路を通行止めにしてロケを敢行。地元ファンの目撃が相次ぎました。
- 住所:〒880-0835 宮崎県宮崎市阿波岐原町野間311-1
- アクセス:JR日豊本線「蓮ケ池駅」から徒歩約20分
- 聖地巡礼ポイント:公道なので自由に歩けます。バイクと並走する先生の姿を想像しながら散策を。
実際、YouTubeで公開された特報映像では、大泉洋さん演じる日高先生がスーパーカブ(ホンダのバイク)にまたがり明子(永野芽郁)に話しかけるシーンが登場し、この場面が宮崎ガス本社付近で撮影された可能性が高いと指摘されています。
2. 宮崎県立宮崎西高等学校

- 撮影シーン:高校時代の教室・校庭シーン。
- 原作との関係:東村アキコさんの母校。制服もそのまま使用。
- 住所:〒880-0951 宮崎県宮崎市大塚町柳ケ迫3975-2
- アクセス:JR日豊本線「南宮崎駅」から車で約15分
- 立ち入り可否:現役の公立高校のため校内は立ち入り不可。外観のみ見学可能です。
主人公・明子の高校時代のロケ地として、有力なのが宮崎西高等学校です。
宮崎西高は原作者・東村アキコさん自身の出身校であり、物語のモデル校でもあります。
公式には撮影実施の公表はありませんが、特報映像で永野芽郁さんが着ている制服が宮崎西高の制服そのものであることから、高校のシーンは実際に同校で撮影された可能性が極めて高いです。
SNS上でも「永野芽郁ちゃんが着てる高校の制服もすぐそこの(地元の)高校のやつ😭」と、宮崎での撮影に興奮する地元ファンの声が上がっていました。
東村さんの実話を忠実に再現するため、舞台となった実際の学校でロケを敢行したと考えられます。
ただし宮崎西高は現役の公立高校であり、一般の方が自由に立ち入ることはできません(校門から校舎を外観見学することは可能です)。
3. 若草通商店街


- 撮影シーン:明子と友人が「漫画に集中したほうがいいっちゃない」と宮崎弁で語らう場面。
- 見どころ:昭和レトロなアーケード。撮影当日は制服姿のエキストラが多数目撃されました。
- 住所:〒880-0805 宮崎県宮崎市橘通東3丁目付近
- アクセス:JR日豊本線「宮崎駅」から徒歩約10分
- 訪問アドバイス:地元グルメを味わいながら、作品の空気感を体感できます。
宮崎市中心街にある若草通商店街も、『かくかくしかじか』の重要なロケ地です。
特報映像には、明子とクラスメイトの北見が商店街を並んで歩くシーンがあり、「漫画に集中したほうがいいっちゃない?」と宮崎弁で会話するその背景が若草通商店街だと特定されています。
実際、SNS上でも「芽郁ちゃんが歩いた道に行ってきた!」と若草通りでの撮影目撃情報が投稿されており、ロケ地であることはほぼ確定とされています。
若草通商店街はアーケード型の商店街で、地元の学生が日常的に利用する場所でもあり、昭和レトロな街並みが作品の雰囲気に合致したのでしょう。原作でも宮崎の街で過ごす高校時代が描かれており、その再現として実際の宮崎市繁華街が選ばれた背景があります。
若草通商店街は現在も営業中で、誰でも自由に歩くことができます。
石川(金沢)エリア 美大生活と桜の情景
4. 金沢美術工芸大学 旧キャンパス
- 撮影シーン:美大の講義やアトリエ風景。
- 背景:原作者の母校であり、リアリティ重視のロケ。
- 住所:〒920-0942 石川県金沢市小立野5丁目11-1
- アクセス:JR「金沢駅」から北陸鉄道バスで約30分、「金沢美術工芸大学前」下車すぐ
- 注意点:旧校舎は移転により閉鎖。敷地外からの見学にとどめましょう(新キャンパスは一般見学可)。
明子が高校卒業後に進学する美大のシーンは、金沢美術工芸大学(旧キャンパス)で撮影されました。
東村アキコさん自身が同大学の美術科油絵専攻を卒業しており、原作でも金沢での大学生活が描かれています。
映画化にあたり、「宮崎・金沢・東京の三都市でロケが行われた」と作者コメントでも公言されており、そのうち金沢では金沢美術工芸大学の旧校舎が使われたことが地元情報サイトで報じられました。
旧キャンパスはモダンな建築様式の校舎で、2023年に新キャンパスへ全面移転したため現在は使われていません。
しかしその分、撮影に融通が利きやすく、また東村さんの在学当時の雰囲気をそのまま再現できるロケ地として最適だったのでしょう。実際にエキストラとして参加した方の報告でも金沢ロケが行われたとの証言があり、物語中の美大生の日常シーンがこの旧キャンパスで撮影されたと思われます。
残念ながら旧キャンパスの建物は現在立ち入り禁止となっており、ファンが訪れても中に入ることはできません。
ロケ地巡りとしては外観を遠巻きに見ることになるため、代わりに現在稼働中の新キャンパスを訪れて雰囲気を味わうのも一案です。
金沢市内の名所(ひがし茶屋街・兼六園)

美大生活と桜の情景
– デートシーンの有力候補地 –
- 登場の可能性:原作『かくかくしかじか』では、東村アキコさんが金沢美術工芸大学に通っていた実体験をもとに、金沢の街が舞台として描かれています。
特に、「ひがし茶屋街」や「兼六園」、「金沢駅」や「第七ギョーザ」などが作中に登場。 - ロケ背景:映画でも金沢での撮影が公式に報じられており(旧・金沢美術工芸大学での撮影も確認済)、青春パートの象徴的なロケーションとしてこれらのスポットが採用された可能性が高いと考えられます。
- 該当シーン例:予告編では桜並木を歩くデートシーンが登場しており、背景の街並みや石畳が「ひがし茶屋街」付近と一致するというSNSの指摘も。
- アクセス:
- ひがし茶屋街:〒920-0831 石川県金沢市東山1丁目
- 兼六園:〒920-0936 石川県金沢市兼六町1
※映画公開時点でのパンフレットや公式サイトによるロケ地一覧の確認により、今後さらに特定される可能性があります。
東京エリア 夢を追う“上京編”
6. 神田神保町(千代田区)

- 撮影シーン:編集者との初対面や持ち込みシーン。
- ロケ背景:出版社が集中する“本の街”で、漫画家志望のリアリティを体現。
- 住所:〒101-0051 東京都千代田区神田神保町1丁目付近
- アクセス:都営地下鉄・東京メトロ「神保町駅」から徒歩すぐ
- 歩き方:古書店巡りと合わせて、作中の「出版社ビル」を探しながら散策するのがおすすめ。
物語後半、明子が上京して漫画家を目指す中で編集者と出会ったり打ち合わせをしたりするシーンは東京・神田神保町界隈で撮影されたと見られます。神保町は出版社や書店が集まるエリアで、漫画編集部の所在地として現実味があります。
実際、2024年5月頃に千代田区神保町でエキストラ募集が行われた記録があり、出版社のオフィスや街頭シーンの撮影があったことが明らかになっています。
原作でも東村アキコさん(明子)が上京後に出版社へ持ち込みに行く場面などがありますが、その再現としてロケ隊は神保町周辺で撮影を敢行したようです。
具体的なビル名や通り名は公表されていませんが、集英社など漫画雑誌編集部が集まる神保町・一ツ橋エリアが舞台になった可能性が高いでしょう。
ただし、これらオフィス内の撮影場所は一般には非公開であり、ファンが訪れても見学できません(外観も特定されていないため巡礼は困難です)。
7. 港区オフィス街

- 撮影シーン:就職先で働く明子の姿。
- 見どころ:高層ビル群のガラスに映る東京の空。
- 住所:東京都港区赤坂・芝・新橋エリア(具体的なビル名は非公開)
- アクセス:東京メトロ「赤坂駅」「溜池山王駅」「新橋駅」などから徒歩圏内
- 立ち入り可否:ビル内部は非公開ですが、周辺は自由に見学可能です。
明子が東京で就職して働く場面については、東京都港区内のオフィス街で撮影が行われました。こちらも2024年5月に港区でのエキストラ募集情報があり、具体的な場所名は伏せられていましたが撮影実施が確認されています。
予告映像では、明子が都内のオフィスで電話を取るようなシーンが映し出されており、漫画家になる前の社会人生活を描く場面が含まれていることがわかります。
港区には出版社以外にも様々な企業オフィスが林立しており、物語上で明子が一時的に就いた職場(あるいは漫画家デビュー前にアルバイトした場所)として、それらしいビルがロケに使われたと推測されます。
港区という大都会の雰囲気は、上京後の明子が感じる東京の空気感を表現する狙いがあったのでしょう。
こちらもビル内部での撮影と考えられるため、一般の人が立ち入れるロケ地ではありません。
横浜エリア 栄光を手にするクライマックス
8. 横浜市西区のホテル宴会場

- 撮影シーン:漫画大賞授賞式。永野芽郁さんが花束を抱え壇上へ。
- ロケの狙い:大規模ホールと海の見える夜景で華やかさを演出。
- 住所:〒220-0012 神奈川県横浜市西区みなとみらい1丁目1-1(例:ヨコハマ グランド インターコンチネンタル ホテル)
- アクセス:みなとみらい線「みなとみらい駅」から徒歩約5分
- 巡礼ヒント:作中と同規模の宴会場があるホテルは〈横浜ロイヤルパークホテル〉や〈横浜ベイホテル東急〉が有力候補。ロビーは自由に入れるので雰囲気を味わえます。
映画終盤のクライマックスに当たる漫画大賞(マンガ賞)授賞式のシーンは、横浜市西区にあるホテルの大宴会場で撮影されました。
これは東京エキストラ募集サイトの情報から判明したもので、2024年5月中旬に「漫画家や編集者役」のエキストラを多数動員して横浜市西区内のホテルで撮影が行われています。
原作『かくかくしかじか』は2015年に実際「マンガ大賞」を受賞しており、映画でも明子(東村アキコ)が大きな賞を受け取る感動的な場面として描かれているようです。
特報映像でも、明子が晴れやかなドレス姿で花束を抱え壇上に立つ様子が映し出されました。
このシーンのロケ地として横浜が選ばれた理由は、大勢を収容できる豪華な宴会場を確保しやすかったことが考えられます。
東京都心のホテルでは撮影調整が難しい場合、横浜のみなとみらい地区などにある大規模ホテル(例えば「横浜ベイホテル東急」や「横浜ロイヤルパークホテル」等)がよくロケに使われるためです。
実際の会場名は非公表ですが、映画ファンの間では上述のホテルのいずれかではないかと推測されています。これらホテルは一般客も利用できますが、映画で使われた宴会場に入るには結婚式や式典などイベント参加が必要です。
ただ、ロビーや外観などは自由に訪問できるため、ロケ地の雰囲気を感じに行くことは可能でしょう。
ロケ地巡りの注意点

- 私有地や学校は許可なく立ち入らない。外観見学は静かに。
- 授業・イベントの時間帯を避け、人の迷惑にならないよう配慮。
- 写真撮影可でも商業利用はNGの場合があるため、現地の案内表示を確認。
- 交通規制や工事情報を事前チェック。特に若草通や金沢旧キャンパス周辺は道幅が狭い場所があります。
まとめ
『かくかくしかじか』は、原作者の実体験をなぞる形で宮崎の青春・金沢の学生生活・東京での奮闘・横浜での栄光を丁寧にロケ再現した作品です。
各地の風景や空気そのものが物語の感情を膨らませる“もう一人のキャスト”。
映画鑑賞後は、ぜひロケ地を訪れて作品世界を追体験してみてください。
聖地巡礼の旅が、観たばかりの感動にさらに深みを与えてくれるはずです。


コメント